オンボードホットニュース
2008年6月16日 (Day 11&12) オークランド〜横浜 (4,700 nm)
Nicole BMW Shuten-dohji III - スキッパー斉藤実
2008/06/16 1000時(JST/Tokyo) 、現地時間/オークランド +3時間
現在地: 16 47 S, 173 05 E
旅程: 26.4%
方向: 330
ボート・スピード: 3-4 kt
24時間の航行距離: 73 nm (24時間平均速度4.0 kt)
進んだ距離: 1,238 nm
日本への距離: 3,578 nm
到着予定時刻: 30 days (07/15)
天候: 晴れ、温度は上がってきます
波: 0.5m
風: 東南東8-12 kt
海流: 東の方へ0.1〜0.3kt
エンジン: かけていません
- セール -
メイン: 1Pt.リーフ
ステースル: 100%
ジェノア: 妨害されたシステムのため畳まれた
斉藤よりイリジウム電話にて報告
風も波も無く穏やかな海上です。厳しい4日間を通り抜けた後の穏やかな天気を楽しんでいます。貿易風がまた吹き始め、14時間以内に東からの風が9〜14ktになり、その後東南東からの風に変わり、航海の追い風となるでしょう。
追加コメント
彼を2日間悩ませ続けた水漏れもようやく収拾しましたが、前方の船底の水を掻きだすのにおおよそ180回も手動ポンプを漕がなければなりませんでした。今のところ、水漏れは見当たらないが、海水が浸入されているのに危険の状態ではないようです。水漏れの問題がきちんと解決しない限り、水を掻きだす作業が日々必要となってしまうでしょう。
ステーセル(フォアマストより前に張る帆)は、彼がマストに登れるくらい風が収まり、巻き上がっているヘッドステ−(前方支索)で何が妨害電波を引き起こしているかを判断するまで畳んだ状態となっています。
斉藤さんは多少、休息を取ることができたようです。
2008年6月14日 (Day 10) オークランド〜横浜 (4,700 nm)
Nicole BMW Shuten-dohji III - スキッパー斉藤実
2008/06/14 1300時(JST/Tokyo) 、現地時間/オークランド+3時間
現在地: 19 28 S, 173 52 E
旅程: 22.3%
方向: 036
ボート・スピード: 3-4 kt
24時間の航行距離: 98 nm (24時間平均速度4.0 kt)
進んだ距離: 1,047 nm
横浜への距離: 3,731 nm
到着予定時刻: 31 days/7月14日(平均速度5 kt)
天候: 強風、大雨
波: 4-5 m
風: 北東25-30 kt
海流:東の方へ、0.3kt
エンジン: 逆風のためモーターセーリングします
- セール -
メイン: 2Pt.リーフ
ステースル: 畳まれた
ジェノア: 畳まれた
斉藤よりイリジウム電話にて報告
3日間続いた強風の名残が20ktの逆風となって現れ、北と北東からへと変化しています。斉藤さんは“とても疲れた”といっていましたが、これから天気が良くなってくるという情報に喜んでいました。
ギャレーの水漏れはきちんと管理されております。あと1日ほどで波が2メートルくらいに落ち着き、風も約14から20ktの東からの貿易風が吹き、穏やかな海域に到達するので、その際に配水管を修理する予定です。
斉藤さんは現在、オークランドより1,000マイルの地点を通過しました。あと2日ほどで、ホノルルからの旅で30日目に到着したアメリカ領サモアの首都であるパゴパゴと同じ緯度に到達します。そこからオークランドまでの航海は20日を要しました。今回は日本に向かっているため16%短い距離にはなっているものの、前回と比べると半分の航海時間で同じ緯度に達しました。
ウィキペディアより:
貿易風は亜熱帯の恒風で、亜熱帯無風帯の高気圧から赤道近辺の低気圧に向かって吹いています。貿易風は主に、北半球では北東からの風となり、南半球では南東からの風となります。
2008年6月13日 (Day 9) オークランド〜横浜 (4,700 nm)
Nicole BMW Shuten-dohji III - スキッパー斉藤実
2008/06/13 1000時(JST/Tokyo) 、現地時間/オークランド+3時間
現在地: 21 00 S, 174 37 E
旅程: 20.5%v
方向: 340
ボート・スピード: 5.5 kt
24時間の航行距離: 129 nm (24時間平均速度5.4 kt)
進んだ距離: 963 nm
横浜への距離: 3,800 nm
到着予定時刻: 31 days/7月13日(平均速度5 kt)
天候:強風
波: 4-5 m
風: 東から18-20 kt
海流:東へ、35-40 kt
エンジン: 3回1,5時間バッテリーチャージ
- セール -
メイン: 3Pt. リーフ
ステースル: 畳まれた
ジェノア: 畳まれた
斉藤よりイリジウム電話にて報告
お昼頃までに、以前、斉藤さんが“Force7”のときにいっていたような、5メートル、38ktの強風が吹き始めました。
斉藤さんは後からもう一度ご連絡し、また、荒い海のために配水管がギャレーから切り離され、海水弁が開いて船底部分に海水が入ってしまったと報告しています。彼は全てのコックを閉め、浸水を防ぎ、そして前方の船底の水を除去する為に手動ポンプを使用すると言っていました。
斉藤さんは元気にしていて、また船も順調とのことですが、緊急時に大量の浸水にポンプが十分に対応できるかを判断しています。
ハワイで船を入手した際には電動ポンプも手動ポンプも取付けられていませんでした。緊急時用の水を除去するシステムはエンジン(備え付けてある?)にある原水ポンプを使うしかありません。悩みの種は、エンジンが動かなくなると、ポンプも動かなくなってしまうことでした。配管工事は非常に複雑で、船を危険にさらしてしまう可能性もありました。
2台の手動ポンプと1台の電動ポンプがハワイでの再装備の一環として取付けられました。
手動ポンプは一台ずつ取付けられ、それぞれが船体のデッキレベルを通リ抜けています。また、それぞれのホースの排水口にはバルブがついています。1台のポンプは船底の前の部分を通っています。もう一台のポンプはエンジンルームと船尾の用です。両方のポンプは、エンジンルーム、バッテリーバンクの下の右舷部分に並んで設置されています。
また手動トグルスイッチのついた自動機能つきの電動船底ポンプも船尾、エンジン部分に配管され、こちらはスイッチを押しつづけている限り、下水用のポンプは稼動します。さらに、こちらは船底である一定の水位を超えると自動的に稼動します。
強風はここ3日間吹き続けましたが、幸運にも収まりそうな気配です。中略
斉藤さんはこの強風の影響で睡眠時間が十分に取れず、疲れているようです。
水漏れは斉藤さんにとってお友達のようなものです。2004年から2005年にかけて行われた航海の最後の月に、酒呑童子Uのだがボードケースがありえないような水漏れを起こし、毎日数時間も手で水をくみ出さなければなりませんでした。
2008年6月12日 (Day 8) オークランド〜横浜 (4,700 nm)
Nicole BMW Shuten-dohji III - スキッパー斉藤実
2008/06/12 1000時(JST/Tokyo) 、現地時間/オークランド +3時間
現在地: 22 55 S, 175 33 E
旅程: 18.5%v
方向: 345
ボート・スピード: 6 ktv
24時間の航行距離: 123 nmv (24時間平均速度5.1 kt)
進んだ距離: 867 nm v
日本への距離: 3,909 nmv
到着予定時刻: 32 days (07/13)
天候: 所により曇り、通り雨
波: 3-4 m
風: 東28-35 kt
海流: 東の方へ0.3kt
エンジン: バッテリー・チャージの為3回1.5時間
- セール -
メイン: 3Pt.リーフ
ステースル: 畳まれた
ジェノア: 畳まれた
斉藤よりイリジウム電話にて報告
彼は今適度な強風の中にいて、風は20kt〜30ktの強さで東から吹いています。
これからの2日間はさらに強い35 kt以上の風が見込まれています。
電波妨害以外は、船は順調とのことです。
“船上生活”の印象
イリジウム電話にての報告6月12日日本時間07時15分、風 15ー20m、波高 3m -4m
<斉藤さんコメント>
海が荒れています。ほとんど寝ていません。船が揺れるので、腰掛けるための小さい椅子があるのですがすぐにひっくり返ってしまいます。
昨晩夜中に2時間くらいかけてセールを直していたら、腰を痛めてしまいました。
今は薬でしのいでいます。
今日はシリアル、バナナ、りんごを食べました。最後のバナナです。最後のバナナを食べてしまいました。
<スタッフより>
海が荒れていて大変そうなのに、斉藤の声はいつもに増して朗らかでお元気そうでした。最後に「読者の皆様へひとことお願いします」と言ったら、「はーい!」と明るく答えた後電話が切れてしまいました。次回コメントをいただけると思います。
2008年6月11日 (Day 7) オークランド〜横浜 (4,700 nm)
Nicole BMW Shuten-dohji III - スキッパー斉藤実
2008/06/11 1000時(JST/Tokyo) 、現地時間/オークランド+3時間
現在地: 24 56 S, 175 08 E
旅程: 15.7%
方向: 345
ボート・スピード: 5 kt
24時間の航行距離: 122 nm (24時間平均速度5.1 kt)
進んだ距離: 736 nm
横浜への距離: 3,964 nm
到着予定時刻: 33 days (07/13)
天候: 所により曇り、通り雨
波: 3 m
風: 東南東20-25 kt
東の方へ0.2kt
エンジン: バッテリー・チャージの為3回1.5時間
- セール -
メイン: 2 Pt.リーフ
ステースル: 畳まれた
ジェノア: 畳まれた
斉藤よりイリジウム電話にて報告
船の状態は好調で、前帆が使えないものの、予想通り平均5 ktで航海を続けています。強く、断続的な南東、東南東からの風が助けとなっています。これから斉藤の位置の南を通過する高気圧の影響で25 kt以上のさらに強い風が見込まれています。これから2、3日はその状態が続くでしょう。その風が収まり次第、マストに登り、何が電波妨害を起こし続けているかを調べる予定です。
斉藤は今日、緯度23度26分22秒の南回帰線を横断し、公式に熱帯地域に入ります。(冬に近づいているオークランドが寒かったために、斉藤にとっては朗報です。)
“船上生活”の印象
スタッフはもう一度連絡し、今回の電話は以前と比べると斉藤の声が聞きやすくなってきました。
日本時間 午前7時20分受信
昨晩は焼きうどん、今朝はチーズブレッドを食べました。
今晩はまだ未定で、これから考えるとのことです。
2008年6月10日 (Day 6) オークランド〜横浜 (4,700 nm)
Nicole BMW Shuten-dohji III - スキッパー斉藤実
2008/06/10 1300時(JST/Tokyo) 、現地時間/オークランド+3時間
現在地: 26 40 S, 176 18 E
旅程: 13.1%
方向: 000
ボート・スピード: 4-5 kt
24時間の航行距離: 133 nm (24時間平均速度5.5 kt)
進んだ距離: 614 nm
横浜への距離: 4,110 nm
到着予定時刻: 34 days/7月13日(平均速度5 kt)
天候: 所により曇りから晴れ
波: 2 - 3 m
風: 南東18-20 kt
海流:東の方へ、0.2kt
エンジン:
- セール -
メイン: 2Pt.リーフ
ステースル: 畳まれた
ジェノア: 畳まれた
斉藤よりイリジウム電話にて報告
またしても、24時間で133nm、平均5.5 ktという新記録がでました。夜中にヘッドセール(船首の縦帆)のシステムが電波妨害を受けたか、もしくは故障し、帆をダウジングしなければなりませんでした。斉藤は、強風のためマストに登ることができず、現在は2Pt.リーフで帆を縮めています。風が収まり次第、安全の鍵となり、利便性のために新しいマストに取付けられた折りたたみ式のはしごを使いマストに登ります。
どのくらいの減速が見込まれるかいまだはっきりはしませんが、これから5 ktを下回る可能性があります。これからの数日間は南東、東からの20ktくらいの風が見込まれています。彼は現在、まさに貿易風にのっています。斉藤は今まで追風の中、航海を続けていましたが(追風=ダウンウィンド;たいていは、風の吹くスピードと同じ分だけ航行できるので、もっとも遅い方角になります)、南東からの風向きに変わって行くと、彼はブロード・リーチ(ダウンウインドから45度までの角度で航行します)もしくは、ビームリーチ(風向きに対し90度航行します)になり、最速のポイント・オフ・セール(風向きと相対的なボートのコース)となります。
読者の皆さん、もし、斉藤に直接質問したいことがあればぜひ、私たちにご連絡下さい。